電池の容量を測定するぞ!
>背景<
 数年前、某展示会で怪しげな商品を目にした。それが「ダブラー」である。なんでも充電池の性能維持や再生が可能との事だ。冗談で購入してみたものの、その効果を確認するには、電池の容量を確認する方法を考えねばならなかった。

○ 測定器を設計するぞ!
 蓄電池の容量を測定するには、充電済みの蓄電池を定電流で放電して放電終止電圧になるまでの時間を計測すればよい。だが、丁度よい回路が見当たらない。仕方ないので、自分で設計することにした。(色々な回路例を参考に回路図シミュレーターで設計。「回路図シミュレーター」って面白いですね。)
 基本方針は勿論、「如何に安く、簡単な回路にするか」である。
回路図1
 で、出来たのが上記の回路。恐ろしいことに、一応動作しています。
 説明しますので、頭のいい人、問題ヶ所を教えてください。(なにぶん初心者なもので)
 尚、回路図の緑の丸で囲んでいるのが、「測定する電池」である。→以下「電池」と略する。

○ 放電回路 
 OP2とTR2で、定電流放電回路を作っている。「プッシュスイッチ」を押すと、「電池」から、TR2→電流計→放電抵抗と電気が流れて放電される。
 一方「放電抵抗に発生する電圧」は、0P2の「ー」端子に入り、「基準電圧(ツエーナーダイオードとVR2で作られた)」と比較される。比較された出力はTR2のベースに入り、「放電抵抗に発生する電圧」を「基準電圧」と同じにしようと制御し、同一にする。「放電抵抗に発生する電圧」が常に一定と言うことは、「放電電流」が一定であることを意味する。 あとはVR2で「基準電圧」を調整し、目標の「放電電流」に合わせればよい。
 「放電電流」=「基準電圧」/「放電抵抗の値」 となる。 (正確にはTR2のベース電流の分違います。)
○ 放電終止電圧の検出
 OP1入力には「基準電圧(ツエーナーダイオードとVR1で作られた)」と「電池」が繋がれている。よって、「電池」の電圧が「基準電圧」より高ければ、TR1がONしてリレーが動作する。逆に、低くなればリレーは停止する。
 「基準電圧」を、「放電終止電圧」に設定すれば、「放電終止電圧」でリレーはOFFとなる。
 尚、リレーの接点1は「プッシュスイッチ」と並列に接続し、スイッチを押し続けなくても放電を保持するようにしてある。(リレーを使わない回路を検討したのだが、私には無理でした。誰ぞ考えて下さい。)
○ 放電時間の測定
 上記説明の通り、リレーは「プッシュスイッチ」が押されてから「放電終止電圧」になるまでONしている。
 このリレーの接点2がONしている時間を測定すれば良いわけであるが、ここにカウンタ回路を作って使ったのでは面倒で複雑、そして材料費がかさむ。そこで、アナログ時計を繋ぎ計測することにした。(QUARTZの針式の時計は、100円ショップでも手に入る。この値段以下でカウンタ回路を組むのは至難の業であろう。 我家には余った時計があったので、その100円も節約。)
 リレーの接点2を使って時計の電源をON,OFFさせれば、放電時間が測定出来る。(勿論、OPAMPやTr等を使って時計を制御してもよい。さすればリレーは1回路で事足りる。)
○ 使用法
 時計の針を12時に合わせてスタートし、終わったら時計の針を読めばいい。放電している間だけしか時計は動かないのだから、それは放電時間である。電源が切れても表示が消えないアナログ時計だからこそ出来る芸当なのだ。


○ 更に簡単な回路を思いつく。〔読み飛ばして下さい)
 「SWをオンすると定電流で放電する」までは以前の回路と一緒であるが、計測方法はもっと簡単。何と、「電池」で時計そのものを駆動させるのである。電池が終われば、時計も自動的に止まるはず。如何でしょう?
 この場合、「計測終了時、時計は止まっても放電は続いている。」「放電終止電圧を任意に設定できない。」という事が欠点ですな。

○ 完成品 
(未だ、ケースに入れてません)
 
○部品について 
 部品は以下のものを使用。参考までに記述します。(単に手持ちの都合です。)
 TR1 2SC1815,TR2 2SD799,OPAMP LM324,リレー 6V,Di 10D-1らしいもの,ツエーナーDi 3V位,放電抵抗は余裕の3W品(後は1/4W品)。 電流計,電圧計はテスターを使用しました。

○次回予告
 
次は、充電器にチャレンジします。 どんな回路になるやら....。

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